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【W杯2010】ドイツvsスペイン<準決勝> [サッカー]

今大会のドイツは、過去自分が見てきたドイツとは随分と違う印象だった。

“ゲルマン魂”。

その一言に、よく分からないけれど集約されてしまう、あの感覚をあまり感じないのである。
その代わり、らしくもない(といっては失礼だが)ショートパスやカウンターなど観ていて楽しく、クリエイティブ的なサッカーを展開しているのである。
そして、イングランド(どちらかというと古臭い伝統的なまま)やアルゼンチン(こちらも個の能力は高いものの戦術としては古い)という強豪を一蹴してきた。

そんなドイツと(雑誌Numberによれば、ドイツの一つのスタイルとして熟成させてきたハンドボール的なサッカーの手本ともいえる)スペインの一戦。
結果は、(本家(?)の)スペインが勝利した。

確かにボールポゼッションなどパス回しという面では、スペインが圧倒したようにも見える。
ドイツに効果的なカウンターのチャンスもほぼ作らせなかった。

でも双方にどれだけゴールの香りがしたかというと、ピッチで繰り広げられたサッカーの内容ほど多くはなかったように思う。
後半途中には、ゴールを奪うにためには、
 ①ミドルシュート
 ②セットプレー
 ③多分なさそうだが“個での突破”か“効果的なダイレクト(=リズム)”の連鎖が余程はまった時
の3つくらいしか見当たらないと感じていたくらいである。
(最終的には、セットプレーからの得点で勝敗を分けたわけであるが・・・。)


結局、この試合のポイントはどこであったか?
オイラとしては、以下の2点だったと考えている。
 ①スペインがF・トーレスを先発から外してこれたこと
  →明らかにコンディションが上がってこないトーレスを使うことで中盤の
    リズムが作れないようになっていたと思う。
    外したことで、中盤でのパスでのポゼッションが確保できた。
   (違う見方をすればゼロ・トップシステムに近いものかもしれない)
  →ただ、もしかしたらペドロが抜け出し、トーレスにパスを出さなかった
   (=トーレスが得点しなかった)事が決勝戦に向けて大きな鍵になる
    かもしれないと思ったりする(トーレスが得点していたら良い方に吹っ
    切れた可能性)。
 ②スペインが、その圧倒的なパス回しの結果、ドイツのスタミナを奪うことに
  成功した。
  ドイツは、ボール奪取の地点で疲労してしまい、効果的なカウンターを繰り
  出すに至らなかった。


この2カ国の試合は、バルセロナ型vsインテル型だったようにも見えたが、本質的にはバルセロナ型vsバルセロナ型だったのではないかと思う。
何が言いたいかというと、バルセロナ型の先にあるのは、何かということだ。
将来のサッカーの姿としてのハンドボールのような展開という予測に対しての方向性は、この試合のようになるのではないかということだ。

つまり、バルセロナのような性格のチーム同士での対戦の場合、そのまま対等な力関係は発生しづらく、攻撃ポッゼッション力が、より優れたチームがバルセロナのような戦い方になり、劣っているチームはインテルのようかカウンターを狙うかたちになるのではないかということだ。
この試合のようにバルセロナ型vsインテル型の試合のように見える形に収斂していくのではないかという可能性である。

そして、そこで最後に勝負を分けるのは何になるかというと、意外と、速くかつ多く長躯できる“スタミナ”、言い換えればバルセロナ型で主導権を持ったチームにボールを回され続けても尽きない“カウンター力”、と“心”なのではないだろうか?

カウンター力(意思統一や戦術もろもろ)は、どんなチームでも最低限必要なチーム力のひとつ(=ベース戦略)となっていくのではないだろうか。
そして、やはり基本的には、将来的には中盤での潰し合いというのは無くなっていくのではないだろうか。
そのように思う。

何にしても観ていて楽しい試合だった。
オランダvsスペインの決勝戦を楽しみにしたいと思う。


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